NAOMI クオリティ 美味しいレシピが生まれる秘密!vol.1

フルートネタが続いたので

この辺で本業の料理について書きます。

現在 veggy64号

にてデトックスレシピを掲載していますので

ぜひご覧ください!(さりげなくアピール、笑)

合鴨は鴨ではなく鴨もどき

私が幼い頃、父の趣味は狩猟だった。

いつも黒光りする大きな鉄砲を磨き、銃に込める玉も自分で作っていた記憶がある。

なので当時飼っていたのは猫ではなく狩猟犬のセッター

何代も続けて飼っていたけど名前はなぜか皆ジョンだった。

父が主に仕留めてきたのは野生の鴨

既に命は失っていたものの、まだ体温の残るその子達を私はいつも抱っこしていたらしい。

まだ幼かったのでどんな意識でそうしていたのか記憶にはない。

でも、あのまだ生暖かい鴨から漂う生臭さとも違う独特な生き物の匂い。

そしてぐったりとした鴨の重み。

それらを今この瞬間にも鮮明に思い出す事が出来る。

まだ先入観のない私は

可愛そうとも怖いとも感じることはなく

ただ目の前にいる鴨を抱いていた。

あの時何を感じていたのかは覚えていない。

その子達を父は手際よく捌き、夕飯のおかずとしてよく食べた。

捌くところをいつも見てたけど

胃袋(砂肝)の中から生米が出てきて

鳥も私と同じ物を食べているんだな、と思ったのをうっすら覚えている。

羽根をむしり、内臓を全て取り出し、残っている毛を火で炙る。

そうすると焼けた毛の独特の臭いがしたのを、今でもハッキリと思い出すことが出来る。

そしてその肉を焼き鳥にして食べたのだった。

それはとても硬く、血生臭い肉だったように記憶している。

でもそれが独特の美味しさで、いつも食べていた鶏肉とは別物としてしっかり噛んで味わっていた。

だから、大人になってから鴨を食べた時に

「こんなのは鴨じゃないっっ!」

と思った。

あれは鴨もどき。

山菜は山菜もどき

山菜もしかり。

子供の頃、山菜採りが毎年のイベントだった私にとって

スーパーの山菜はニセモノ

香りも風味も何もない。

目をつぶって食べたら何を食べているのかわからない。

あんなのは山菜もどき。

山で採りたての山菜は

もっと苦く、香りも味もパンチがある。

特にタラの芽の天ぷらなどは

この世にこんなに美味しい物があるなんて!?

と思うほどの美味しさだった。

まだ幼稚園に行く前の頃の話。

独活は根元が紫色をしていて何とも言えない風味があった。

蕗の薹も三つ葉も

どれもこれも個性豊かで美味しかった。

今はどこの山もゴルフ場になってしまい、山菜採りが出来なくなって本当に残念!

鴨にしろ山菜にしろ

幼い頃に本物を食べてしまったのでニセモノはとても食べられない。

出されたものは有難くいただくけど

残念ながら

舌にも意識にも全く残らない。。。

本物を知っている強み

私の舌を創ってきたのはこれらの経験の数々。

幼い、何の先入観もない頃に本物を食べることで味覚が育った。

あるシェフの方に

「あなたは絶対味覚の持ち主だ」

と言われたことがあるけど

もしそれが本当だとしたら、

それは幼い頃にこんな素晴らしい体験をさせてくれた両親のおかげ。

本物を知らなければ偽物もわからないから。

鴨を捌く所を見られたのも貴重な体験だった。

生きていた動物がどのようにして肉となるのか。

内臓がどこにどのようにあるのか。

気持ち悪いと感じることもなく

最初から最後まで目を離さずに見ていた。

幼い私は興味津々だった。

あの経験が命をいただくとはどういうことかを教えてくれた。

図らずも幼い頃に本物を知る経験を重ねた事で

現在があるのだと思う。

私の料理人としての原点はここ。

 

レシピ作りと美味しさの秘密はvol.2に続きます。